ゴシ マンタ(ウイグル式肉まん)
この料理は羊肉の「肉まん」であり、左の小皿は、ピリ辛のお酢のタレである。
以前、私は肉まんを、辛子と酢醤油混ぜたタレで食べるというのを、
知人から教えてもらったが、それに近いものかもしれない。
中身は、羊肉とニラっぽい香草と玉ねぎ等の野菜が入っており、
なんとなく、「ニラの入った肉まん」みたいな感じがした。
1つの大きさが、結構大き目で、食べ応えは結構あると思う。
3つもあると、味が単調になり飽きが来ると思うが、
小皿にある、ピリ辛のお酢のタレを付けると、また印象が変わり、
美味しくいただける。
撮影:東京都新宿区「シルクロード・タリム」様。
コルマ チョップ(ウイグル式焼うどん)
ウイグルの麺料理の一つで、手打ちの「きしめん」を千切ったような麺を茹で、
羊肉と野菜と炒めたものである。
味は、トマトベースであり、独特の香りと、ピリリとした辛みがある。
「タバスコを入れたナポリタンのような味」と評されることもあるようだが、
ケチャップのような甘味がないため、もっとスッキリとした味わいであり、
腹持ちも良い。
中華料理の中では見られないし、また西洋のパスタとも違うため、
独特の味に病みつきになる人も多いのではないかと思う。
ただ、店のマスターに「ピリ辛にする?普通にする?」と聞かれ、
辛い物が苦手な私は、「普通で」と答えたのだが、それでも少し辛いので、
チビチビと飲み物を飲みながら、食べていた。(苦笑)
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トゥギレ(ウイグル式水餃子)
「餃子」というと、「中華料理」を連想されるが、
その化石が、ウイグルのトルファンから餃子の化石らしいものが出土したようで、
どうやら、彼等の料理が中国各地に広まったようである。
こちらで出された料理は、羊肉を使っているが、「挽肉」ではなく、
肉を細かく刻んで作られた、肉の食べ応えのあるものだった。
写真右のあるタレは、黒酢と香辛料を混ぜたものの様で、
さっぱりとした酸味と、香辛料のピリッとした辛さ、そして独特の香りが、
いわゆる私達が知る「餃子」のタレとは違い、美味しくいただけた。
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ピントザ ハミセイ(春雨と人参のサラダ)
カザン カワプ(鍋カワプ)
「カワプ」というのは、ウイグル語では「焼肉」を意味するそうで、
「カワプ(ケバブ)」というと、「串焼き」を連想してしまうので、
私としては意外だった。
さて、この料理は羊肉と玉ねぎ、そして独特の香辛料で味付けされた逸品。
脂肪分が少なく、あっさりとした「肉らしい」羊肉の味と、
香辛料の香りが食欲をそそる。
そこに玉ねぎが肉の脂っぽさを和らげ、そして玉ねぎの甘さがアクセントとなり、
日本人にも食べやすい料理だと思う。
香辛料の沢山入った料理を紹介しているので、
さぞかし私は辛い物が大丈夫、もしくは好物なのだろうなと、思うかもしれないが、
実際は、その逆で、私は辛い物が苦手。
この料理、唐辛子っぽいものが、丸々一本入っていたので、
口にした時には、「うわっ!ヤバい!!」と思ったのだが、
実際、多少辛かったのかもしれないが、全然気にならず、
その後も美味しくいただけた。
興味のある方は、是非ご賞味いただきたい。
撮影:東京都新宿区「シルクロード・タリム」様。
ラグメン(ラグマン)(中央アジア式五目肉うどん)
中央アジアで広く食べられる麺料理、「ラグメン(ラグマン)」。
このラグメンはウイグルを始め、中央アジアでは定番料理であり、
来客や祝い事の席にも振る舞われるという。
また、この料理が西に伝わり「パスタ」となり、
東に伝わり「うどん」となったと言われているそうだ。
味はトマト味が基本になっており、羊肉(ラム肉)、ピーマンやパプリカ、
ジャガイモ等の、その時々の季節の野菜が入れられており、
独特のスパイスが異国情緒を感じさせながら、日本人の口にもあっていると思う。
また、1人前の麺が、まるまる一本なのもこの料理の特徴でもある。
ラグメンのレシピがYouTubeに掲載されていたので、ご紹介。
撮影:東京都新宿区「シルクロード・タリム」様。
ポロ(ウイグル式ピラフ)
ウイグルの代表的な米料理、「ポロ」。
祝いの席で振る舞われる事が多い様で、日本でいう「赤飯」の様なもの。
具は、羊肉、玉ねぎ、ニンジン、レーズン(干しブドウ)やリンゴ等。
そして、左上にある白いドレッシングみたいなものは、「ヨーグルト(砂糖入り)」。
日本人には、米の中に甘いフルーツや、ヨーグルトを掛けるという感覚は、
奇妙に思う方も多いと思うし、中には拒否反応を示す方もいるだろう。
しかし、実際に食してみると、塩気の中にフルーツの甘さが加わり、
良いアクセントになっている。
また、ヨーグルトが味をマイルドに変化させ、楽しませてくれる。
19世紀の中央アジアの女性達を描く、漫画「乙嫁語り」の作中にも、
この「焼き飯」として出ており、詳細な画が食欲をそそる様に感じる。
作品中の台詞の中に「ハミ瓜(メロン)は入れないのか?」との台詞があるが、
否定されるシーンがある。
作者自身も「そんな物(ハミ瓜)は入れるはずのないもの」とした意図のものの様である。
YouTubeに作り方が載っていたので、紹介させていただく。
撮影:東京都新宿区「シルクロード・タリム」様。